自分が自分に投げかけている言葉が、あなたの思考や態度、行動をコントロールしていると言ったら驚くだろうか。言葉が自分に働きかける力はとても大きい。つまり、自分に投げかける言葉をいいものに変え、いいセルフイメージを植え付けることが重要だ。

「緊張しませんように、緊張しませんように」はNGワード

 「ピンク色の豚の貯金箱だけは、思い出さないでください」

 もし、こう言われたら、あなたの脳はどう反応するだろうか? そう言われても、きっとピンク色の豚の貯金箱を思い出してしまうはず。

 「○○しないでください」の、はじめの「○○」と言われた時点で、脳は瞬時にそれを思い出そうする。だから「○○」の後に「しないで」という指令を伝えても、もう手遅れというわけだ。

 「間違えないようにしよう。間違えないようにしよう」と思えば思うほど、脳は「間違う」ことを意識して、間違えてしまうのだ。

  意識すればするほど、そちらのほうへ勝手に体が反応する。それが脳の仕組みだから仕方がない。これは、脳をコントロールするうえで、めちゃくちゃ大事なポイントだ。

 あがり症の人が口にしやすい、もしくは心の中で唱えやすいのは、
 「緊張しないようにしよう。緊張しないようにしよう」
 「あがらないようにしよう。あがらないようにしよう」
 「間違えないようにしよう。間違えないようにしよう」
などだろうが、残念ながらどれも逆効果でしかない。

 どんどん緊張し、あがり、間違えるような体の反応を引き出す言葉の使い方をしているのだ。

金光サリィ (かねみつ・さりぃ) ヴィゴラスマインド代表 メンタルコミュニケーショントレーナー 1977年福岡生まれ。広島育ち。東京在住 極度のあがり症に長年苦しむが、脳科学・心理学を中心に学び、それらをもとに考えた手法で、わずか10日間で克服する。 「人は短期間で劇的に変化できる」という実体験に基づき、全国規模の国家資格予備校のメンタルコミュニケーショントレーナーとして、1万人以上の受験生の 相談役を8年間務める。同予備校の経営者としても活躍。心理学を応用したマーケティングを推進し、代表取締役に就任して直ぐ、売上前年比350%アップを 果たし、業界No.1の予備校とする。
2010年、ヴィゴラスマインドを立ち上げ、脳科学・心理学などを用いた、業績アップに関するビジネスサポート、あがり症克服などに関するプライベート サポートを提供している。
ヴィゴラスマインド http://vigomind.com/