10分で白血病診断、抗がん剤を変更… AIが医療をここまで変えた!医師が読むと1カ月半かかる膨大な文献が、AIを備えたコンピューターシステムなら20分足らずで読むことができるという (※画像はイメージ)

 医療分野のテクノロジーの進歩は目覚ましく、疾患の早期発見・治療、リハビリに大きく貢献することが期待されています。週刊朝日ムック「脳卒中と心臓病のいい病院」では、診断・治療を最適化する人工知能(AI)が開く「近未来の医療」を取材しました。

 現在、人工知能(AI)は第3次ブームを迎えており、医療分野にも大きな革新をもたらしつつあります。

 東京大学医科学研究所は2016年8月、AIを備えるコンピューターであるIBMの「ワトソン」が、専門家でも診断が難しい特殊な白血病をわずか10分で突き止め、60代の女性患者の命が救われたと発表しました。この成果は、ワトソンが2千万件に上るがん研究の論文や薬の特許情報などを参照し、患者の遺伝情報と照らし合わせた結果、当初診断された急性骨髄性白血病とは異なる特殊な白血病であると判断し、抗がん剤の変更を提案したことでもたらされたものです。

 国立がん研究センターとNECも17年7月、AIを用いて大腸がんやがんに移行しやすいポリープを内視鏡検査時にリアルタイムで発見するシステムを開発したと発表。AI技術や高速処理技術を駆使し、内視鏡の画像を瞬時に解析できるようにしています。