大谷翔平が、獲得に名乗りを上げたメジャー27球団(30球団中)から移籍先に選んだのは、ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムだった。

DH制のあるア・リーグ球団が
二刀流に適していると巻き返し

大谷翔平がエンゼルス入り、日本人には馴染み薄だがどんな球団?本拠地のエンゼル・スタジアム・オブ・アナハイム

 代理人の関係者の話では当初、有力だったのはナショナル・リーグのサンフランシスコ・ジャイアンツとシカゴ・カブス。だが、アメリカのMLBファンサイト「ファンラグ・スポーツ」はサンディエゴ・パドレスが有力だと主張した。その一方で日本人メジャーリーガーの先駆者といえる野茂英雄が最初に在籍し、現在は前田健太が所属するロサンゼルス・ドジャースを有力とする声が根強くあった。

 それに対して巻き返しを図ったのがアメリカン・リーグで最終選考に残った球団だ。DHのあるア・リーグは大谷が希望する二刀流に適しているという主張をし、一躍有力候補に上がったのがシアトル・マリナーズ。マリナーズはイチローや佐々木主浩が活躍し、現在も岩隈久志が在籍する日本人選手とは縁の深い球団だ。そんな点が有利に働くと思われていたわけだ。

 ところが大谷は、そうした下馬評にも上がらなかったエンゼルスを選んだ。決め手になったのは、第一に二刀流にチャレンジできる環境が揃っていること。また、家族的なチームの雰囲気や選手を温かな目で見る穏やかなファン気質もプラス要素になったようだ。

 ただ、エンゼルスは日本の野球ファンには今ひとつ印象の薄い球団だ。メジャーのチームで多くの人が思い浮かべるのは野茂のドジャース、松井秀喜、イチロー、黒田博樹が活躍したヤンキース、イチロー、佐々木のマリナーズ、松坂大輔、上原浩治がいたレッドソックスあたりだろう。エンゼルスでも長谷川滋利(1997~2001年)、松井秀喜(2010年)、高橋尚成(2011~12年)がプレーしているが、ユニフォーム姿が記憶に残っている人は少ないだろう。

 そこでエンゼルスがどんな球団かチェックしてみた。