2011年は東日本大震災、円高、ユーロ危機、タイの大洪水と、日本にとっては内外ともに災厄多き年だった。12年はそれ以上に不確実性、不安定性が高まる年となりそうだ、何しろ世界は政治の季節に突入する。1月の台湾総統選に始まり、露、仏、米、韓では大統領選、中国でも政権交代が行われる。北朝鮮情勢も不安材料だ。そうした状況下、12年を予想する上で、何がポイントになるのか。経営者、識者の方々に、アンケートをお願いし、5つののポイントを挙げてもらった。第7回は、田中均・日本総研国際戦略研究所理事長の予測を紹介する。

日本は消費税とTPPで解散総選挙、政界再編か<br />2012年も世界経済の混迷と政治の動揺は続く<br />――田中均・日本総研国際戦略研究所理事長

①財政問題の悪化・
世界経済の混迷と政治の動揺

 ユーロ圏の財政問題は収束せず、米国においても財政赤字削減を巡る民主・共和の対立は大統領選挙とともに先鋭化、日本においては消費税増税を巡り政治は混乱。米国大統領選挙でオバマ再選となり、年末に向けて世界経済は一応展望を取り戻すことができるか。