Do the Hudson!!
iPhone、iPod touch限定サイト「Do the Hudson!!」のトップページ。(C)HUDSON SOFT

 「Do the Hudson!!」というWebサイトがある。ゲームやムービーを配信する同社らしいサイトだが、iPod touch専用という点がちょっと変わっている。ご存じのように、iPod touchは専用のブラウザを内蔵し、無線LANを使ってインターネットにアクセスできるのだ。もちろん、iPhoneも同様である。

 想像以上に質の高いサイトで、大きなコストをかけて開発されていることが見て取れる。そこで僕が疑問に思うのは、なぜiPhoneなのかということだ。日本ではまだ発売されていないので、iPod touchでしか利用できない。iPod touchとて、iPod全体の中での売り上げ割合はさほど多くはない。

 「iPhoneは、世界中で400万台出荷されていると言われます。1000万台に達するのも時間の問題でしょう。この中の何割かがゲームを楽しむターゲットになるわけですが、その割合は意外に高いと思います。今から開発に力を入れても、少しも早いとは思いません」(株式会社ハドソン 執行役員ネットワークコンテンツカンパニープレジデント 柴田真人氏)

 iPhoneは、それ以外の携帯電話に比べるとAVに強いのが特徴だ。現段階で手に入れているユーザーは、携帯電話での遊びに強い関心を持っていて、ゲームも利用したいと考えていてもおかしくはない。

 だが、それだけでは納得できない。仮に1000万台の出荷を達成したとして、そのうち2割がゲームに関心を持っていたとしても、200万台でしかない。例えばDSは、すでに累計で4000万台を超える出荷実績がある。ゲームのプラットホームとしての魅力はDSや他のゲーム機のほうが間違いなく高いだろう。もちろん、ライバルのゲームメーカーも多いという市場の原理もあるが。

 加えて、日本にいる限り、当然だがiPhoneのムーブメントは感じられない。正確に言うなら、iPod touchを使っている人もあまり見かけない。仮に、米国に旅行に出かけたとしてもiPhoneを見かける機会は少ないだろう。

 「もちろん、米国全体の携帯電話の中でiPhoneはまだ多くはないでしょう。割合からしても、数百台に1台くらいになるわけで、旅行などで見ないのも当然だと思います。ですが、iPhoneのムーブメントが来ていることは、米国やヨーロッパでは多くの方が感じています。日本だけがこの部分で圧倒的に遅れているのです。私は爆発的なブームが来ると読んで力を入れて開発しています。日本でまだ気づかれていないのは嬉しいくらい。気づかないで欲しいですよ」と柴田氏は語る。