企業内のコミュニケーションの形態は多様化している。特に現在では、メールがビジネスを行っていく上で不可欠なツールとなっている。しかし、メールにあまりにも依存しすぎたために、企業の競争力がいつの間にか削がれているとしたら……。コミュニケーションツールに関する「ダイヤモンド・オンライン」でのアンケート結果を専門家に分析してもらった。

7割以上の若手社員が
電話やメールに不満を感じている

「ダイヤモンド・オンライン」では、企業で働く20代の若手社員を対象に「電話・メール・チャットに関する意識調査」を実施した(2017年12月27日~2018年1月9日。回答者数105人)。この調査からは、電話とメールに支配された企業の現状に対する若手社員の“違和感”がはっきりと見て取れる。

 全体の74.3%が電話やメールに不便さや不満を感じていて、実に9割以上の若手社員が、LINEなどのチャットをプライベートで最も使用するコミュニケーションツールに挙げている。そして、半数以上が「チャットツールが仕事でも提供されていたら使う」と答えているのである。

プリンシプル・コンサルティング・グループ
代表取締役
秋山 進氏

 この結果について「ごくごく当たり前の内容」と話すのは、コンサルタントとして数多くの組織改革に携わってきたプリンシプル・コンサルティング・グループ代表の秋山進氏。続けて「現在の仕事上のコミュニケーションのあり方が偏っていることが原因ではないでしょうか」と指摘する。

「会社の時間は、会議などの公式な『組織の時間』、1人で仕事をする『個人の時間』、そして雑談を含めた『集団の時間』の三つから成り立っていましたが、今は集団の時間がすっぽりと抜け落ちてしまっています。この集団の時間こそが日本企業の競争力の源泉でした。若手社員の違和感の正体は、会社が本来あるべき姿から乖離してしまっていること、と考えることもできるのではないでしょうか」

 多くの日本企業にあったはずの“ワイガヤ”がいつの間にかなくなってしまっている。そして、その原因の一つがメールへの過度の依存にあるのでは、と秋山氏は問題提起する。

 では、それを取り戻すためにはどうすればいいのか。「対面」「電話」「メール」「チャット」という各コミュニケーションツールの特性を整理しながら、それぞれの使い分け方を詳しく見ていこう。

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