「えっ!こんなものまで入ってるの?」

裕美宛に送付されてきた就職資料の中に、色鉛筆やメモ帳などが入っていた。

「それは、企業のホームページの『採用情報』に呼び込むためのものだよ」

「リクルートの項目(採用情報)が、ホームページに載ってるの?」

「そうだよ。何社かの『採用情報』を見たけど、すごく充実しているねぇ。私が採用の責任者だった15年前は、紙媒体だけで、多くの会社が一緒に掲載されていて、内容も一律だった。今は登場する社員の何年間かのキャリアを示したり、働く1日をうまく紹介している。裕美は、『採用情報』はよく見るの?」

「興味ある会社を適当に見ているよ。どれも凝っているから、流しながら見るだけでも、気がつくと1時間くらい経っちゃう。業種でも違っていて、金融は真面目だけど、ゲーム会社は見ているだけで面白いよ。」

「実際の就活に役立ちそうか?」

「うーん、あれだけではよくわからない。この前、大学でのブースを使った会社説明会を覗いてみたけど、かなり違うよね。」

「どう違うの?」

「やっぱり直接、顔を合わせて話を聞くのとは違うよ。ホームページの『採用情報』は、いいことしか書いていないように思えるしね。参考程度かな。」

「やはり実際に人に会うことが大事なんだな。」

「今、うちの大学では11月から20回程度、各業界の先輩を招いて『業界セミナー』を始めているよ。そこで色々話を聞いて見たいと思っている。その他にも、これから企業の会社説明会にも参加するつもりだよ。」