大学受験・公務員試験の小論文受験者必読。
「どうやって評価が決まるのか?」
「自分の書いた答案は、どこが悪いのか?」
「どうすれば、合格答案が書けるようになるのか?」
本連載では、新刊『落とされない小論文』の著者が、これらの疑問に明確な結論を出します。本番直前からでも、独力で合格水準まで到達するスキルと考え方をお伝えしていきます。
(構成:今野良介)

「課題文に対する意見」を
明確に書く確実な方法

前回の記事『問題「次の文章を読み、考えたことを述べなさい」に頻発する「致命的な解答ミス」とは?』では、大学入試によく出題される「課題文付き」の小論文問題に頻発する解答ミスについて紹介しました。

課題文に対する意見を明確に書く確実な方法は、答案の書き出しを「私は筆者の○○という主張について……と考える。なぜなら……」という形にすることです。こうすれば、筆者の主張に対する自分の立場が明確になります。

ただし、この書き方はパターン化された印象が強く、表現として少し稚拙です。
そこで今回は、「応用編」としての書き方を紹介します。

1つの例題で解説していきましょう。

「賛成か反対を示せ」という小論文指導の落とし穴ガンバレ受験生!

【大学入試の想定問題】
次の文章を読み、筆者の意見についてあなたが考えたことを述べなさい。

日本は格差社会になったといわれるが、そもそも格差があるのは当然ではないか。一生懸命努力した人が、より多くの収入や良い待遇を得られるのは理に適っている。逆に怠けていた人と頑張った人が同じ収入、待遇だとしたら、そちらのほうが不公平ではないか。もちろん、病気や障害などハンディがある人は別で、一定の支援があるべきだが、そうでない人の間で格差が生まれるのは自然なことだ。(以上)

高評価の解答例応用編
「結論提示→課題文引用」型

「私は筆者の○○という主張について……と考える。なぜなら……」という方法で書き慣れた人は、課題文を引用する部分を、「格差があるのは当然だ」という全体的な指摘ではなく、もっと具体的な指摘をした部分に変えてみるとか、はじめに自分の結論を言っておいて、そのあとで課題文を引用するなどの工夫ができます。

次のページで、後者の書き方を紹介します。