国立大入試、小論文の直前対策!
「どうやって評価が決まるのか?」
「自分の書いた答案は、どこが悪いのか?」
「どうすれば、合格答案が書けるようになるのか?」
本連載では、新刊『落とされない小論文』の著者が、これらの疑問に明確な結論を出します。本番直前からでも、独力で合格水準まで到達するスキルと考え方をお伝えしていきます。
(構成:今野良介)

内容に自信がなくても
「断定調」で言い切る

「自信のない書き方」は、それだけでマイナス要因になりえます。また、エントリーシートや志望理由書など、「意欲を問われる書類」で消極的な印象を与えたら、当然ながらマイナス評価です。

次の2つの解答例を見てください。

【低評価の解答例(1)】
超高齢社会に突入したわが国では、高齢者が社会で活き活きと活躍する場をつくるべきだと私は考える。そのためには、自治体のシルバー人材センターなどで高齢者向けの仕事を積極的に提供していくべきだと考える。そのことによって人手不足の解消につながり、高齢者自身も誰かの役に立っていると実感することができると思う。したがって、こうした施策を積極的に進めていくべきだと考える。(以上)

【高評価の解答例(1)】
超高齢社会に突入したわが国では、高齢者が社会で活き活きと活躍する場をつくるべきだ。そのためには、自治体のシルバー人材センターなどで高齢者向けの仕事を積極的に提供していくべきだ。それによって人手不足の解消につながり、高齢者自身も誰かの役に立っていると実感することができる。こうした施策を積極的に進めていくべきである。(以上)

低評価の解答例(1)は、文末に「と考える」「と思う」のような表現が繰り返されています。冒頭の1回だけならまだしも、何度も繰り返されると、くどいだけでなく答案全体に自信のない印象を与えます。

書き手としては、「~である」「~だ」と断定形で書くことに恐れやためらいがあるため、「と考える」と書いて「安全策」をとっているのですが、これは逆効果です。

本音では自信がないということが露呈しますから、評点上のプラス効果は1つもありません。

「自信がない文章」は伝わらない自信のなさは文章に現れる

断定調で言い切るほうが、印象はよくなります。

「つくるべきだと私は考える」は「つくるべきだ」、「提供していくべきだと考える」は「提供していくべきだ」で問題はありませんし、文末に「と考える」「と思う」をつける意味はありません。

高評価の解答例(1)のようにすれば、全体に引き締まった自信のある印象になります。