文章を単語単位に分割し、その出現頻度や関係性などを解析、定量化された知見や予想外の発想を得る技術、“テキストマイニング”が、ソーシャルメディア・マーケティングにおいて重要視されている。テキストマイニングによって、フェイスブックやツイッター、ミクシィなどのソーシャルメディア上にあふれる書き込みを解析し、顧客や市場のニーズを抽出、自社製品への不満点を分析するなど、マーケティングに役立つ情報や知識を“マイニング(発掘)”することができるようになる。

 1982年に設立し、データ分析の老舗企業として長い実績がある数理システムのテキストマイニング・ツール、「Text Mining Studio」は、メーカー、金融、学術といったさまざまな分野の企業や大学で導入されている。同社の製品の特徴としては、マウスでメニューをクリックするだけで基本的な分析できる「使いやすさ」、毎月開催される無料の演習セミナー、利用ユーザーの質問には1営業日以内に回答する「サポート力」が挙げられる。自社開発ならではの強みがある「Text Mining Studio」は、カスタマイズも可能であり、ユーザーにとって利用しやすいテキストマイニング・システムの導入が可能となる。

「Text Mining Studio」の利用シーンは、以下のようなケースが想定される。一つは、企業の商品やサービス内容に関して、ソーシャルメディア上でどのような書き込みがされているかを知る「評判分析」。ポジティブな意見とネガティブな意見に分類するので、カスタマーの率直な感想を知ることができる。また、書き込みの時間推移を計測し、トレンドのレポーティングも可能だ。

マウス操作にて14の分析が実現できる使いやすさもユーザーに人気。HPにて味の素、オムロン、TOTOなど多数のユーザー事例を紹介。
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 二つ目は、自社商品だけでなく「他社動向把握」ができるのもテキストマイニングならでは。例えば、競合企業が売り出す商品の特徴や提供するサービス内容に対して、カスタマーがどのような反応を示しているのかを知ることができる。これらを解析することで、自社商品の開発やサービスの向上といったことにも役立てられるのだ。

 そして、インターネットやテレビ、新聞といったメディアへの掲載・広告の「効果把握」も可能。広告を出す前と後で、書き込み数や書き込み内容の変化が一目瞭然となり、実際の広告効果を測定できる。キャッチコピーや広告イメージの浸透状況、起用タレントのイメージ調査など、次回に広告出稿時における改善点を発見することができ、広告におけるPDCAサイクルをより効率的に実現することができるようになる。

「Text Mining Studio」は、特許、コールセンターのオペレータメモ、医療情報なども分析できる汎用ツールだが、一方でその価格設定にも驚かされる。同社によると、これまでほとんど広告宣伝を行わず、ユーザーによる紹介での成約が半数以上を占めているための費用還元だという。2012年2月にはNTTデータの子会社となってデータ分析の強化を図っており、今後もますます注目すべき製品へと成長するだろう。