資産管理に悩みはつきものだ。「セカンドライフ」や「相続」「家族」といった事情がからむと、管理はさらに煩雑になる。従来はその各々に手立てを講じる必要があったが、それを一括で管理してくれる商品が登場した。

老後の資産管理は「相続」だけではない
自分や家族の「生活費」の管理も視野に

 それなりの資産を築き上げれば、おのずと悩みも増えてくるものだ。どういった方針の下でどの程度まで増やしていくかという「運用」の面もさることながら、自分や家族のライフプランを踏まえて適切に「管理」することも重要となってくる。

「成年後見関係事件の概況」(最高裁判所事務総局家庭局)より抜粋したグラフ。 成年後見関係事件の申立件数は合計で3万79件(前年は2万7397件)で、前年と比べ1割近い増加となっている。高齢者増加に伴い、申立件数は今後も増加が予想される。
拡大画像表示

 自分にもしものことがあった場合に備える相続対策はもちろん、長寿社会の今は「生きている間に必要となる資金」についても、前もって適切な手を講じて確保しておく必要が生じるだろう。そのうえ、日本は世界の中でも突出して高い平均寿命を誇っている。病気やケガ、加齢に伴う判断能力の低下にくわえ、振込サギをはじめとする金融犯罪の多発などによって、長寿化に伴う財産管理上のリスクも高まっている。自らの老後のための備えを工面しておくだけでなく、それを安全に「管理」していくことも不可欠なのである。

生前から相続まで資産を
“一括で”管理できる商品が登場

 さて、こうした包括的なマネープランを考えるうえで頼りになる存在が信託銀行だ。しかし自分が抱えるさまざまなニーズをすべて満たすためには、担当者にあれこれ相談しながら、複数の金融商品を組み合わせなければならなかった。資産の「運用」や「管理」に関して信託銀行の守備範囲は非常に広いものの、簡単な手続きですべてを任せっきりにすることは叶わなかったのだ。

 ところが、三菱UFJ信託銀行が3月12日から販売を開始した「ずっと安心信託」は、この従来の常識を打ち破った。不慮の事態によって自分自身で管理ができなくなった場合でも、本人やその家族に資産が安定的に分配される仕組みになっているのだ。

 簡潔に言えば、今までニーズ別で個々に設定されていた既存商品をパッケージ化し、人生における3つの大きな心配を手間なく解消できるのが同新商品である。具体的には、これに資金を託しておけば、(1)自分の都合に合わせて生活資金を計画的に受け取りつつ、(2)万一の際には必要となる資金が簡単な手続きで家族に対して速やかに支払われ、(3)相続後も遺族のための生活資金が確保される。