建設機械メーカー国内2位、世界3位の日立建機は、国内外で設備増強に乗り出した。その背景と、“建機の将来像”について聞いた。

日立建機社長 木川理二郎<br />「油圧ショベル」の将来像は<br />電動化とロボット化にある
Photo by Shinichi Yokoyama

──3月2日に、鉱山向けの大型・超大型油圧ショベルやダンプトラックなどの生産能力を大幅に引き上げると表明した。茨城県にある鉱山機械を製造する二つの工場で設備拡張と新工場の建設に乗り出し、インドネシアやカナダでも生産設備を増強する。

 日立建機は、これまで資源開発国で必要になる総重量100トンを超える大型の油圧ショベルで世界のトップ集団に位置してきた。

 だが、鉱物資源を運び出す大型のダンプトラックでは、米キャタピラーや日本のコマツに大きく差をつけられていた。鉱山機械の市場でプレゼンスを高めるためにも、ダンプトラックの分野でも製品群を拡充させる必要がある。

──古くは1979年、世界初の超大型油圧ショベル(150トン以上)を米国へ納入した日立建機は、建機の大型化に注力し、現在では世界最先端の810トン以上の超ド級の油圧ショベルを生産する。最もポピュラーな建機は20トン級だが、建機が大型化した背景には、どのような要因が考えられるのか。

 まず、油圧ショベルでいえば、世界の建機市場は、10年前に日米欧の先進国で80%、その他の地域が20%という構成だった。