シャープの戴正呉社長シャープの戴正呉社長。液晶テレビ1000万台をけん引した中国の拡販で「鴻海依存」を一段と強めた Photo:EPA=時事

 台湾の鴻海精密工業の傘下で業績を改善させるシャープ。2018年3月期は、4年ぶりに最終黒字を計上し、6年ぶりの復配を決めたが、見逃せない規模になりつつあるのが、鴻海からの「ミルク補給」だ。

 具体的な金額は6月末に公表される有価証券報告書で見えてくるが、「大口顧客」の米アップルに並び、鴻海との取引規模がどこまで膨らむかが注目されている。

 これまでのシャープ再生を実現した「鴻海流のコスト削減」には陰りが見えており、18年3月期の販管費の削減は70億円程度にとどまった。社員数は増加に転じ、設備投資も増えた一方、研究開発費の削減は56億円程度だった。

 これに代わってシャープの業績改善を支えているのが液晶テレビの販売だ。連結営業利益の901億円のうち、ディスプレー関連事業は前期比10倍超の370億円を稼ぎ出したが、これを支えたのが鴻海グループへの液晶テレビの販売だった。