『週刊ダイヤモンド』5月19日号の第1特集は「20年後も医学部・医者で食えるのか? 医歯薬看の新序列」。国家試験に合格した医学部卒業生が初期臨床研修(2年)を経て進む後期研修が形を変え、「新専門医制度」として今春始まった。新制度で資格を取得できる施設は大学病院が中心。専門医の質の向上と共に、医師の地域偏在が是正されると一部で期待されたが、都市集中は変わらず。地方から憤りの声が上がる。怒れる一人、日本皮膚科学会理事長で山梨大学学長の島田眞路さんに話を聞いた。(『週刊ダイヤモンド』編集部 土本匡孝)

新専門医研修で約500人が東京都に流入
地方は相当怒っている

今春スタートした研修医の新制度は「地域医療崩壊」の序曲だ山梨大学 島田眞路学長 Photo by Masataka Tsuchimoto

――新専門医制度(下表参照)が今春始まりました。

 東京都で今春までに初期臨床研修を受けた人数が1350人だったのに対し、今春に新専門医研修で採用された人数は1825人。つまり、約500人も東京都に流入しました(次ページ表参照)。

 第1回の結果をみて、地方は相当怒っていると思いますよ。喜んでいるのは東京や被害を受けなかった府県だけ。地方で本当に地域医療を心配している人は、怒っています。