「マンション選びのチェックポイント」2回目は、モデルルームではなく、完成している実際の物件を見るときの注意点やポイントなどを説明する。

竣工済み物件の見学は
「白手袋」着用から

プロが教える<br />「マンション」完成物件<br />見学のチェックポイント

 場所を替えて、「シティタワーズ豊洲ザ・シンボル」を訪ねた。ここは竣工済み物件。部屋に案内されると、入室前に白手袋着用を促される。実物の部屋なので、汚すことはもちろん、指紋一つつけてはならない。

 リビングでは、まず景観をチェック。向かいの建物との見合いは重要なポイントだ。

プロが教える<br />「マンション」完成物件<br />見学のチェックポイント高層マンションでは、隣のマンションがすぐ近くに感じられても、じつは互いの顔もわからないほど遠いことが多い。パッと見ただけでは感覚がつかめないので、じっと佇んで、景色を眺めてみよう。景色からそのエリアの雰囲気も伝わってくる

 床には二重床と直張りがあり、堅さの感じが異なる。実際の建物だと、堅さを踏みしめて確かめることができる。

 軟らかすぎるなど、自分の好みに合わない場合もあるが、入居後に床を工事し直すのはまず無理。事前によく踏みしめておきたい。

 素手や素足で触ることを避ければ、ドアを開けるなど、動かせるところは全部動かしてかまわない。むしろ、積極的に動かして、感触を確かめていくべきである。動きが滑らかであれば、高級な建具を使い、確かな施工をしていることがわかる。

高層のバルコニーから
下をのぞいてみる

プロが教える<br />「マンション」完成物件<br />見学のチェックポイントタワーマンションは、必ずバルコニーに出てみること。音や臭いなど、室内ではわからない要素がつかめる(左)。最近人気なのが内廊下。お隣との遭遇を想定してみよう。壁の風合い、カーペットの質感や色味をチェック。ちなみに住友不動産は暗めの設定が多い。音の響きにも耳を傾けてみる(右)

 高層マンションの高層階では、風の音は無視できない要素。実際に窓を開け閉めしてみよう。

 臭いは、通常は気にする必要はないと思うが、場所によっては絶対ないとは言い切れない。

 また、現在でも携帯電話が通じないケースが稀にあるので、実際に使って確かめておこう。なお高層階の場合は、バルコニーに出たときに、恐怖心を覚えないかということも確認したらよい。頭では平気だと考えていても、実際は違うことはよくあるからだ。

 モデルルームに使われた住戸は、使用されていたオプション設備が無償で付いてくる場合もあるので、それも要確認だ。

※見合い:向かいの建物の窓と向き合う形となり、生活空間が見えてしまうこと。