一見地味なアマゾンのスマートハウスから<br />何を読み取るべきかアマゾンが全米で設置を始めた自社製品のデモハウス「アマゾン・エクスペリエンスセンター」の外観。住宅そのものは、大手建売住宅メーカーであるレナーが建築

「アレクサ」を標準装備した
モデルハウス

一見地味なアマゾンのスマートハウスから<br />何を読み取るべきか

 アマゾンが、5月から全米にスマートハウスのためのモデルハウスを展開している。その名も「アマゾン・エクスペリエンスセンター」。現在、カリフォルニア、フロリダ、テキサス州など14ヵ所に設置している。

 ただしモデルハウスと言っても、これはアマゾンが独自に建設したものではない。建売住宅メーカー大手のレナーと提携し、レナーのモデルハウスにアマゾンのAI音声アシスタント機器のアマゾン・エコーを統合したものだ。アマゾン・エコーがスマートハウスのために何ができるかを、具体的な住空間の中で見せようという試みだ。

 正直なところ、アマゾン・エクスペリエンスセンターは日本流の「スマートハウス」を期待して訪れると、がっかりする。見た目はよくあるアメリカ風の建売住宅で、未来的なデザインではない。また、アマゾン・エコーでできることも現在は限られている。スマートハウスが約束するような家全体の消費エネルギーのモニターや管理、太陽光の創蓄電といったことは想定されていないのだ。

 実際、意外なことにアメリカのスマートハウスへの関心は、日本に比べるとかなり遅れている。住宅に関連するIoT製品も多く発売されており、太陽光パネルの設置率も高い。だが、スマートホームを一体化して促進する日本の家電メーカーや住宅メーカーのような存在がなく、関連テクノロジーがバラバラに散在しているという状況なのだ。

 そこへ、アマゾン・エコーである。具体的に、アマゾン・エクスペリエンスセンターではどんなことができるのかを説明しよう。