今年4月、日本に初上陸した米大手カジュアルアパレルチェーンのアメリカンイーグルアウトフィッターズが好調だ。出店は2店で、1号店の東京・表参道店の初日売上高は社内記録を更新した。

米アパレル、アメリカンイーグル<br />口コミメディア活用で好発進日本進出は社内記録更新という好調な出だしとなった

 東京・お台場の2号店と合わせて開店1ヵ月半で、「来場者数が100万人を突破。予想以上の売り上げペースで商品の調達が追い付いていない」と運営会社のイーグルリテイリングの小嶋英幸ディレクターは言う。関係者は1店当たりの年商は20億円に届きそうなペースだとみる。

 海外の大手SPA(製造小売り)は、すでにH&M(へネス&マウリッツ)、フォーエバー21などが進出済みで、ブームは一段落した。それでも話題となったのは、米国での人気とともに、新しいプロモーションが成功したためだ。

 オープン約1ヵ月前からスタートしたのは、「アンバサダープロジェクト」。フェイスブックなどのソーシャルメディアで一定の影響力を持つ大学生や社会人を公募して、77人をアンバサダー(大使)に認定。ブランドのロゴを持って友人と写真撮影し、ソーシャルメディアに掲載した枚数を競うなどのイベントを開催したことで、メーンターゲットとする大学生らの間で口コミが広まった。この勢いのまま、「3年で20店、出店させたい」(小嶋氏)と息巻く。

 アパレルチェーンに詳しい桜井多恵子・日本リテイリングセンターシニア・コンサルタントは「アメリカンイーグルなどのSPAはサイズが豊富で、価格も安い」として、まだ成長の余地があるとみている。SPAは都心での展開が中心。今後はどこまで郊外出店を進めるかに焦点が移る。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 野口達也)

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