寝ている間、脳は休んでいるわけではない。睡眠メカニズムの研究によって、レム睡眠のとき、脳が活動していることは明らかになっている。この睡眠中の脳の活動に注目し、記憶の整理・定着化を突き詰めて「寝る前1分 記憶術」を編み出した勉強コンサルタントの高島徹治氏に、そのポイントをうかがった。

眠っている間にも
脳はしっかり活動している!

「睡眠革命」という言葉を聞いたことがあると思います。グッスリ眠るためのセラピー療法などにも使われますが、そちらは宣伝文句です。私のいう「睡眠革命」とは、これまでカゲの存在だった睡眠が覚醒時に勝るとも劣らない主役に躍り出てきた、という話です。

 睡眠は単なる「休息」の役割しかないと誰もが思っていたところ、脳科学の専門家たちが睡眠のメカニズムを研究し、その結果、脳は私たちが眠っているときにもよく働き、覚醒後の脳の働きにも大きな影響を与えることがわかったのです。

 いうならば、睡眠は「使える」ということになります。

 これはすごい研究成果だと思います。なにしろ、これまで私たちは「眠っている時間は脳も眠っている」と思い込んでいたのが、眠ってはいなかったのですから。

 私たちが「脳も休息させなければ」と、目をつぶって休息を与えていたところ、脳のほうは違っていたのですね。

 脳が自分で働いていた証しもあります。「夢」です。夢は、私たちの意思とは無関係に脳が働いているからこそ見るものです。

 脳の専門家たちはこの「夢」の生成過程に注目しました。私たちが見る夢は、どこかで起きているときの出来事や思いとつながっています。前日の出来事とつながっていたり、いつも考えていたり気にしていることと関係していたり、あるいは10年前の出来事につながっていたり、20年前の出来事と重なったりします。