マツモトキヨシホールディングス会長兼CEO 松本南海雄
撮影:住友一俊

 今年6月に改正薬事法が施行され、スーパーやディスカウントストア、家電量販店などが医薬品販売に参入してくると、医薬品は安売りの対象となり、粗利が下がってしまう。また、化粧品も価格競争が激しくなっており、単価が下がってきている。2つの利益獲得商品の落ち込みに、われわれは非常に危機感を持っている。

 利益確保のうえで、プライベートブランド(MKカスタマー)は重要だ。今期中に売上高の12~13%に増やしていく。しかし、価格訴求をするだけではいけない。医薬品や化粧品では、付加価値の高い商品を作っていく。

 競争が激化する6月以降は、スーパーなどの異業種でもFC契約を結ぼうという企業が増えてくるはず。同業でも、売上高が2000億円に満たない企業は存続が難しいだろう。そのような企業のM&Aをしていけば、当社の売上高が1兆円に達するのもすぐではないか。

 ただ、M&Aの判断は私でなければできない。4月からは会長職に就き、それに専念している。シェアを広げるという意味で西日本の同業も視野に入れているが、将来的には、メーカー、卸も含めた垂直統合を目指す。

 一方で、競争が激しくても圧倒的なシェアを取ってきた関東では、利便性に特化した24時間営業店や、調剤併設店など、立地に合った店舗づくりを進めていく。コンビニエンスストアとの提携も話はしている。男性客が多いコンビニと女性客が多いドラッグストアが組めば相乗効果が出る。(談)

(聞き手:『週刊ダイヤモンド』編集部 片田江康男)