展示会やショールームで使用されるCGコンテンツの制作、建築物のパース(静止画像)、アニメーションの制作などを行うキャドセンター(CAD CENTER)。その中国現地法人が上海科得聖倣真技術有限公司だ。日本仕込みのクリエイティビティを武器に、中国での事業を展開中だ。総経理の印俊傑氏に、日本企業とは違う、中国ローカル企業との商取引のコツについて聞いた。

ハリウッド並みを求める
中国流ハデハデ演出

中国流は「納期“ざっくり”で鶴の一声あり」<br />それさえ我慢できればチャンスは広がる<br />印俊傑・上海科得聖倣真技術 董事・総経理インタビュー印俊傑・上海科得聖倣真技術 董事・総経理

――中国ローカル企業とのビジネスは、日系企業と比べて、どのようなところが違いますか?

 弊社の売上の3分の1が中国国内向けで、その80%が中国ローカル企業とのビジネスです。

 日系企業のニーズが「キレイに、正確に、計画通りに」であるのに対して、中国ローカル企業のニーズは、「早く、現物以上に見えるものを派手に」です。

 例えば分譲住宅の広告アニメーションを制作する場合、日系企業は重厚感のあるアニメーションを好みますが、中国ローカル企業は(極端に言うと)ハリウッド映画のようなアニメーションを好みます。

 また日系企業は、「魂は細部に宿る」ということわざに代表されるように、細かい部分に拘ります。制作物の完成度を90%→100%に上げる部分に、全体の作業時間の80%を使って制作するイメージです。

 その代わり、日系企業は発注者自身が「何を作って欲しいか」を分かっているケースが多く、細かく要件を指示してくれるので、それを聞いて絵に落とすだけで要件を満たすことができます。

 反対に中国ローカル企業の場合、発注時には発注者自身もざっくりとしか要件を分かっていないケースがほとんどです。