第1回「ICT権利保障等フォーラム」が始まった。

 フォーラムは総務大臣の諮問機関であり、最初の数回でアジェンダ設定を行い、その後、約1年をかけて「放送・通信のあり方」を話し合うという。最終的には法制化を目指し、法案策定の方向性まで見据えた提案を目指す予定である。

 原口大臣の言葉を借りれば、フォーラムの精神は、次の言葉に集約される。

 「誰が権力につこうが、決して侵されることのできない自由。言論の自由を守る砦が必要だと私は思います」(原口総務大臣ブログ「議員日記」)
http://www.haraguti.com/diary.php

 「言論の自由を守る砦」――。この言葉に引き寄せられて、筆者はこのフォーラムに参加しているといっても過言ではない。

 自ら報道の自由を放棄して、権力との不健全な関係を続けている日本の報道機関への挑戦ともいえる。戦後一貫して続いてきた歪んだメディアシステムが変わるチャンスでもある。

官僚の権益を守る
アジェンタ案に異議あり

 ジャーナリストとしての立場での参加に悩んだが、結局、自らの業界のルール作りに傍観者ではいられない。つまり、政治と官僚と既存のメディアによって勝手に決められることを防ぐという意味もあって参加を決めた。

 会議冒頭、そうした観点から、筆者は次のように発言した。

 「ジャーナリストとしての立場を維持したままの参加であるため、謝金に関しては辞退申し上げる」

 ちなみに会合参加による謝金は、1回あたり1万8300円である。