世界的大ヒットしたゲーム機の企画・開発で
知った「コンセプト」という魔法の杖

突然ですが、2006年に発売、全世界での総販売台数が9500万台を超え (2012年3月現在)、会社の株価の時価総額が倍以上の10兆円にまで跳ね上がり(2007年9月時点)、一夜にしてゲーム機の世界を塗り替えたメガヒット商品をご存じでしょうか?

そう、家庭用ゲーム機「Wii」です。

ご家族やお友達と一緒に盛り上がったことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

私は、任天堂という会社でかつて「Wii」の企画・開発に携わっていました。現在は青森県八戸市にUターンし、地元企業・個人事業主・官公庁・教育施設・NPOといった様々な方々とお仕事をしながら暮らしています。

Wiiというゲーム機を作ることと、皆さんが何かを始めようとするすべてのこと。そのどちらにも、「コンセプト」という考え方を使うことができます。

私はWiiというゲーム機のコンセプト作りから関わってきた経験から、
ある一つの確信を得ました。それは「コンセプトは、ゲーム機のみならず、あらゆるものに伝える『考え方』である」ということだったのです。

コンセプトさえ見つかれば、おのずとデザインもそこに導かれていく。技術であったり開発であったり、あらゆる部門の人が「そのコンセプトを実現するために、自分たちは何ができるか」を考える。結果として、ブレない商品やサービス、事業ができる。あたかも皆を一つの方向に導く、魔法の杖のようです。