日本から輸入した食料品(水産加工品、一般加工品から調味料、麺類、菓子類、酒、飲料、果物まで)を上海近郊のスーパー、百貨店、レストランに販売する、食料品卸売業(代理店)であるJ-XIN PARTNERSの総経理、金子恒平氏に、中国における日本食品販売の実情について話を聞いた。

価格と賞味期限がネック
日本食材を売る難しさ

「鮮度勝負」の日本食材ゆえの難しさ<br />中国で食品販売するなら“卸”を吟味せよ<br />金子恒平・J-XIN PARTNERS総経理金子恒平・J-XIN PARTNERS総経理

――「輸入食品を中国で売る」というのは、とても大変な商売だと聞きます。日本の食料品を中国で売る場合にネックになるのはどのようなことですか。

 1つは「価格」です。輸入時の関税だけでも平均20%かかるほか、増値税に17%、酒類であればさらに消費税が10%程度かかりますので、中国国内生産の食料品と比べて小売価格がかなり高くなってしまいます。

 また、「賞味期限」もネックになります。日本からの輸入品の場合、日本での輸出準備から中国での輸入通関処理を行い、販売許可を取って中国の店頭に並ぶまで平均2~3ヵ月はかかります。しかも中国の小売店舗では、賞味期限の1~2ヵ月前には商品を撤去させられるところも少なくありません。したがって賞味期限が最低半年、できれば1年以上ある商品でないと中国では売れないのが実情と言えます。

 このような状況があるため、大手日系食品メーカーの多くは、工場を中国に作り、中国生産の日本食材を中国で流通させているのです。

――しかし、上海の日本料理店で、新鮮な魚を出しているところを見たことがあります。