師から天職と運命について学んだわたしは、いよいよ目覚めへの七つのステップを歩みはじめる。それは数週間かけてコーチからプロセスが示され、その後何年も自らの責任で生きる糧とするような、「覚り」への道だった。『答えはすでにあなたの心の中にある』からの抜粋・要約連載の最終回は、本書で1章ずつをさいて説かれる七つのステップを概観する。

 ジュリアンはわたしの問いに答えていった。「人間として最高の目標を追いかける――つまり、自分の最高の可能性に見合った生活をし、真の使命に通じる道を歩く――人は、自分自身を愛している人だ」と、彼はいった。「すばらしい人生をおくることは、自己愛の発露である」

「そんなふうに考えたことはありませんでした」と、わたしはいった。

「地球でもっとも偉大な人間――ほんとうに影響力のある人物――のひとりであるかのように人生をおくる人は、大きな自尊心をもっているだけでなく、自分を創造してくれた自然の力にも深い敬意を抱いている。最近は、“その瞬間を生きる”ことや“いまを楽しむ”ことについて批判的なこともいわれている。誤解しないでもらいたいんだが、そういったことはりっぱな生き方には欠かせないんだ。

 わたしはそう思っているし、心からそう信じている。だが、すべてはバランスで、高望みしたり、才能をはでに輝かせる時間をつくるのはけっしてわるいことではない。それどころか、大きな目標を立て、大きな夢を追いかければ、きわめて創造的な行為にたずさわっていることになる。なにかすばらしいものをきずくために、想像力と能力を駆使しているのさ。創造力が発揮されているということだ。……

 最善をつくして、すぐれたものに身をささげれば、宇宙はきみをささえ、後押ししてくれる。理想に手を伸ばし、運命づけられているものになろうとしている人間を、宇宙は見ている。世界を見守っている眼が、そういった努力に気づかないわけがない。いいかい、すべてが望みどおりの結果になるわけじゃない。高次の知性(ハイヤー・インテリジェンス)というものがあって、多くの場合、その論理はわれわれには理解できない。だが、つねに最善をつくして、あとは人生にまかせ、それが自分のためにいちばんいいと納得したうえで、起こるすべてを受け入れていれば、人生はみごとな結果をもたらすだろう。……