初のLNG世界会議が
東京で開催

歴史的第一歩「LNG産消会議」の現場で感じた<br />米政府が描く天然ガス車戦略の“思惑”第一回LNG産消会議の講演者たち。前列中央は主催者を代表して、枝野幸男・経済産業大臣 Photo by Kenji Momota
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 日本は、世界最大のLNG(Liquefied Natural Gas/液化天然ガス)輸入国だ。

 東京電力・福島第一原子力発電所の事故後、全国各地で原発の再稼働が社会問題化するなか、電力源として火力発電への転換が進んだ。そのなかでLNGの輸入量は拡大。2010年の7000万トンから、2012年は9000万トン程度になる見込みだ。

 天然ガスに関して、筆者は近年、日米各地で取材を進めている。

 そのなかで、アメリカで2005年頃から生産量が急増し、いわゆる「シェールガス革命」と言われる、泥土が固まった頁岩(けつがん)に含まれる天然ガスについても調べている。今年5月には本連載第112回で米国のシェールガス事情とCNG(Compressed Natural Gas/圧縮天然ガス)車の普及について紹介した。

 さて、2012年9月19日、東京でLNGに関する歴史的なカンファレンスが開催された。第1回「LNG産消会議」(資源エネルギー庁主催・東京プリンスホテル)である。

 この“産消”は、地産地消を意味するのではなく、産地者(Producer)と消費者(Consumer)を指す。

 産地者側はカタール、オーストラリア、アメリカ、カナダ、ロシア、インドネシアなどから。消費者側では日本、韓国、台湾などから、閣僚級や商社、プラント建設、海運などの民間企業関係者、総勢約600人が参加した。

 プログラムは1日のみで、午前9時~午後5時20分まで、4セッションで合計27人の講演と各種基調講演が行われた。

 その講演者のほとんどが、アメリカのシェールガス産出量急増が「LNG市場の世界図式を一変させた」と指摘。筆者は改めて、シェールガス革命の重要性を感じた。