前回で、遅い食事は体によくないので仕事の合間に間食か夕食を取りましょうという話をしました。

 昼食の後、深夜まで何も食べないのはよくありません。エネルギーを一番消耗する脳に栄養が行かず仕事の効率が落ちるばかりか、空腹だと胃酸の出過ぎで胃の粘膜を痛めることがあります。気分転換で飲むコーヒーはカフェインのおかげで少しは元気になったような気がするでしょうが、ますます胃の調子を悪化させ、栄養価も全く足りません。

 残業になることがわかっていたら、あらかじめ胃に何か入れておきましょう。胃壁を守るには乳製品がお薦めです。ホットミルク、カフェオレ、ミルクティー、ココア、ヨーグルトなどと一緒に、少し腹持ちして簡単に食べられるバナナ、おむすび(できればサケ、タラコなど糖質の代謝に必要なビタミンB群を含むもの)、サンドイッチなどを取りましょう。

 買い物に行く時間も惜しい方はイチジク、干しあんず、プルーンなどのドライフルーツ、クルミやアーモンドなどのナッツ類をデスクの引き出しに常備しておき、空腹時に少しつまんでおきましょう。ドライフルーツは甘味もあって即エネルギーになり、血液を作る鉄分やイライラを軽減するカルシウムも含んでいます。

 油脂類の入ったベーカリー製品はたまにはいいのですが、毎日食べる方にはお薦めできません。また、仕事の後のビールがまずくなるからと何も食べずに我慢している人もいますが、空腹でお酒を飲むのは胃にとって非常によくないこと。間食は、脳と胃をうまく働かせるものを意識して取ることがポイントです。

残業時の間食は何を選ぶ?<br />脳を働かせ、胃を守るものを成分の溶け出たお湯を飲んでから、ドライフルーツをいただきます
撮影/中川真理子

●残業の合間に飲みたい ドライフルーツのお茶
きな粉ハチミツミルクティー

材料(1人分):
クコの実大さじ1、プルーン2個、湯150cc、ハチミツ大さじ1
 
作り方:
(1)カップにドライフルーツを入れてお湯を注いで混ぜ、一度お湯を捨てる。
(2)(1)に新しい熱湯を注いでそのまま5~10分置き、お湯の色が少し変わったらハチミツを加えてよく混ぜる。

※クコの実は目の働きを助けるといわれるので、パソコンの前で1日過ごす方には特にお薦め。中華食材コーナーや漢方薬局で購入できます。ハチミツはエネルギー補給だけでなく、喉を乾燥から守ります。