現在、若者がクルマ離れを起こしているように、マイホーム離れも起きている――そんな通説に疑問を抱き、「実際に自社のシンクタンクで調べてみた」というのは、住宅・不動産関連サイトを運営するオウチーノの井端純一社長。さて、その結果見えてきたものは……。

若い世代もシニアも
同様に「家が欲しい」

──若者が持ち家離れを起こしているというのは事実か。

オウチーノ代表取締役社長 兼 CEO
井端  純一 
いばた・じゅんいち
同志社大学文学部新聞学(現メディア学)専攻卒。リクルートを経て、『週刊CHINTAI』『ZAGAT SURVEY』取締役編集長などを歴任。2003年、ホームアドバイザーを設立。新築・土地専門サイト「新築オウチーノ」、中古専門サイト「中古オウチーノ」、リフォーム業者検索サイト「リフォーム・オウチーノ」、建築家マッチングサイト「建築家オウチーノ」、賃貸専門サイト「キャリルーノ」などを運営。2012年、オウチーノに社名変更した。著書に『広報・PR・パブリシティ』(電通刊)などがある。

 その点を確かめようと、「あなたが新入社員の頃、『将来、マイホームが欲しい』と思ったか」という質問を投げかけてみた。その結果、「絶対欲しい」「どちらかというと欲しい」と答えた人の合計は、60代が1位で61.5%。2位は20代で60.2%だった。

 60代は、「絶対に欲しい」という比率が非常に高かったのに対し、20代は、他の世代と比べ「絶対に欲しい」など渇望感こそ少ないが、それでも他の世代を抜いて「欲しい」人が多いのは注目に値する。実際には言われているほどの「マイホーム離れ」は起きていないと見た。

──他にも若い世代に顕著な傾向はあるだろうか。

「マイホームが欲しいと思った理由」を聞くと、40代、50代、60代以上がすべて「自分の家を持ちたい」をトップに挙げたのに対し、20代は「オリジナルな家に住みたい」がトップ。30代は「オリジナルな家」と「自分の家」が同率首位だった。

 若い人ほど、自分のライフスタイルに合った独自の家を欲しがっている。賃貸だと家をいじれないこともあって、「だから家を買う」という決断があるようだ。