衆院選は予想通り、自民党の圧勝で終わった。民主党の藤村官房長官は「敗因を分析して教訓に」と述べているが、敗因など分析するまでも無く明白である。前回の選挙の時に掲げていたマニフェストを実行する「覚悟」がなかったから大敗しただけの話である。

 逆に自民党が大勝した原因も「覚悟」がキーワードではないかと思う。今回の選挙は国民の間ではあまり政策論争もなかったと感じるし、たぶん政策で投票した人も少ないのではないだろうか。というより、12政党も乱立してたら、国民は政策を細かく吟味なんかできない。政策で選んで投票するとしても、こだわれるのは1つや2つぐらいだ。反原発だから未来の党、のように。とにかく、多くの国民は民主党の覚悟のなさにうんざりしていたから、政策はともかく少しは覚悟が透けて見える安倍・自民党に投票した。それが自民大勝の理由でもあると筆者は思っている。

 僕の立場からこれからの自民党政権で気になることは、なんといっても民主党政権下で行われた「新しい公共」の行方である。この新しい公共政策、コンセプトは良いのだが、実際は社会貢献の旧来的で守旧派NPO的な考え方を抜け切れておらず、NPO業界へのばらまきでしかなかったともいえる。少なくとも、画期的なソーシャル・イノベーションを生み出すような政策ではなかった。民主党に比べればビジネス・センスを感じさせる自民党に政権が移り、この新しい公共も、革新的なソーシャル・ビジネスを生み出す政策に変わることを期待する。

「過激な社会貢献活動を選ぶ」
という新たな試み

 さて、社会貢献の話である。毎年、年末の当連載では、『筆者が勝手に選ぶ社会貢献アワード』をご紹介してきたが、今回からもう少し客観性を持たせようと、選考委員を設けることにした。今回、選考委員として協力いただいたのは、以下の4名。

 まずは、「社会起業家・養成ゼミ TOKYO」を主宰するフリーライターの今一生氏。続いて、株式会社シータス&ゼネラルプレスCSR革新室室長でCSR48のメンバーでもある黒井理恵氏。次に、若者代表として慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科修士2年でこちらもCSR48メンバーの山田衣音子さん。そして最後に、当連載の担当編集者であるダイヤモンド社の宮田和美氏。以上、僕を入れて5名である。