英「エコノミスト」誌(1月12日号)に興味深い広告が載っていた。カナダ銀行(中央銀行)の「総裁求人広告」である。同行はカーニー総裁をイングランド銀行に引き抜かれてしまったため、後任の公募が始まっている。その広告を英国の雑誌に載せているところがまた面白い。しかし、文面を読むと、こんなに厳しい条件に合う人はなかなか見つからないのではないかという気がしてくる。

「カナダ銀行総裁は、カナダ経済に最も直接的に影響を与える数少ない職のうちの一つです。職務として、組織の文化・価値観を形成し、カナダ銀行の廉潔性、知的規律、率直なコミュニケーションを推進することがあります。またカナダ銀行の高い評価を維持するために、個々人の能力を伸ばし、維持することも必要です」

 応募資格は、「金融政策、そしてマクロ経済において専門的能力があり、金融部門(国内ならびに国際的な金融機関、金融市場)に関して高度な理解力を持つ」「複雑かつ知識集約型な組織においてリーダーシップを発揮した経験があり、卓越したコミュニケーション能力を持ち、英語・フランス語両公用語にて金融政策と経済問題広範に亘るカナダ銀行の決定を伝達することができる」「カナダ国民で、高度に複雑化した環境において健全な判断をし、競合する優先事項を管理し、戦略的な優先事項の順位付けを行う確かな能力がある」「説得によって指導することを好む特徴を持ったリーダーシップスタイルを取り、原則・方針を貫く姿勢を示す決意がある」方だ。

「総裁の信頼性は、金融界、商業メディア、一般社会の信頼を築く上で非常に大切です。この職務についてさらにお尋ねになりたい場合は、416-×××-1990のポール・スタンレーか、613-×××-3200のロン・ロバートソンに連絡してください」