この連載では、これまで、日本人には漢字が読めることを利用して、中国の統計を読み、中国経済の動向を探ることを行なってきた。

 この作業はこれからも続けるが、中国語そのものが理解できるようになれば、統計を読むのもさらに楽になる。そこで今回は、本筋の作業からは少し離れて、中国語そのものの学習について述べることとしよう。

インターネット上に
優れた学習用サイトがある

 中国語に限らず、外国語の学習一般について、インターネットが果たしうる役割はきわめて大きい。スマートフォンが利用できるようになって、それがさらに顕著になった。

 一昔前までの外国語学習は、学校で習ったり語学学校に行くのでなければ、書籍やラジオ・テレビの語学講座などに頼らざるをえなかった。しかし、書籍では発音が不十分にしか分からないし、ラジオ・テレビ講座では、自分の進捗度に合わせた学習ができない。また、何度も繰り返し学習するには、録音・録画する必要があった。

 録音テープやCD-ROMが使えるようになって、これらの問題はかなり克服されてきた。しかし、費用がかかるし、自宅外での学習には、プレーヤーを持ち歩かなければならないなどの問題もあった。

 インターネットが利用できるようになって、外国語学習の条件が飛躍的に改善された。さまざまの学習用音源や無料の語学講座などが、インターネット上に提供されるようになってきたからである。

 しかも、スマートフォンを用いれば、どこにいてもインターネットに接続できるので、学習の可能性が大きく広がった。イヤフォーンを使えば、満員電車の中でも簡単に聞ける。通勤時間帯は他にすることがないから、外国語の学習に専念できる。これまでは無駄に使っていた通勤時間帯を、語学学習のためのゴールデンタイムに変えることができるのである。こうした可能性を利用するかどうかで、数年後の仕事力には、大きな差がつくことになるだろう。