インターネットのせいで新聞社や雑誌出版社は存続の危機にあっても、いわゆる情報サイトは、決してなくなることはない。人々はいつも何かを読みたがり、何かの情報を探し、何かおもしろいことに行き当たることを期待しているからだ。

 だが、情報サイトにも、時代の流れがある。

 数年前まで新興企業が競争していたのは、新聞や雑誌に匹敵するような多くの情報をまとめたコンテンツサイトだ。この分野では、多くのサイトが生まれては消えていき、強者だけが生き残った。アメリカならば、一般コンテンツのハフィントン・ポストやテクノロジー情報に特化したテッククランチやギガオムなどのサイトが、今でもユーザーを集めて大サイトに成長している。

 それと同時にユーザー自身が作るメディアもあった。そうしたユーザー・ジェネレーテッド・コンテンツ(UGC)がこれからはメディアの中心になるとも言われた。フェイスブックなども、見方によってはUGCサイトのひとつだろう。

 また、マーケティング先導でコンテンツの内容を決めるデマンド・メディアのようなサイトも出てきた。その時々で多く検索されていたり話題になっていたりするキーワードをリアルタイムでキャッチし、その内容に合ったコンテンツを制作してサイトに上げることで、アクセスを増やそうというサイトである。深い内容のない記事が多いので、そうしたサイトはコンテンツ工場とも言われているが、これもインターネット時代の必要悪のように出てきた存在だろう。

 そうして今、注目されているのが、内容もあり、人々の役にも立ち、それでいてこれまでのような広告に頼らずに立派に成立しているサイトである。その代表格が「ワイアーカッター」だ。

更新頻度は月6~12回程度なのに
収入は1ヵ月で約450万円!

 ワイアーカッターは、ガジェットと呼ばれる身の回りの電気製品の紹介サイトだ。だが、よくあるガジェットサイトとの違いは、製品を網羅しているわけではないこと、そしてそれほど頻繁に記事がアップデートされていないことである。