いま普通に買うことができる自動車の中で、「ベスト」と呼べるエコカーは何か? 使い勝手も含めた総合性能で見れば、JC08モードでリッターあたり61.0km(PHV燃費)という驚異的な燃費を叩きだしたプリウスPHVに代表されるプラグインハイブリッド車が最有力候補ではないだろうか。その特徴やユーザーの使用データなどから、プラグインハイブリッド車の可能性に迫る。

充電を気にせず、EVを楽しめる。

 プラグインハイブリッド車をひと言で説明すると、EV(電気自動車)とハイブリッド車の“いいとこ取り”をした自動車である。

プリウスPHVなら、ガス欠ならぬ「電欠」の心配不要

 外部電源から充電したプリウスPHVは、まずはEVとしてスタート。発進の瞬間から体感できる滑らかで力強い加速や、振動や騒音がほとんど感じられない快適性など、EVの魅力を味わうことができる。

 EVと違うのは、バッテリーの残量におびえなくてもいいことだ。バッテリー不足の状態になると、今度は優れたハイブリッド車に早変わりするのだ。だからEVとは違って、充電場所を気にしたり、エアコンを切って暑さ寒さを我慢する必要がない。そういう意味では、環境にやさしいだけでなく人間にもやさしいエコカーである。

 カタログには、EVとして26.4km(※)走ることができるとある。エアコンによる電力消費や信号待ち、渋滞などによるロスを考慮すると、実質は20km程度だろう。

 ここで、20kmという距離が短い、と感じる人がいるかもしれない。けれどもこれは、あえて狙った数字だ。(図表1)は、国土交通省が調査した日本にける乗用車1日あたりの走行距離。この統計を見ると、過半数が20km以下だということがわかる。つまり日本の自動車ユーザーの半数以上は、プリウスPHVであればEV走行だけで1日を終えることになる。


※JC08モード走行・国土交通省審査値