4月のFRBの地域経済報告「ベージュ・ブック」は、冒頭で、「全体的な経済活動はさらに収縮したり、依然として弱い」と厳しい認識を示していた。

 消費についても基本的には、「全般的に弱い状態が続いている」との評価だが、いくつかの地区で改善が見られると、明るい材料を取り上げていた。

 ロイター/ミシガン大学やIBD/TIPPなどによる米消費者センチメントの調査においても、若干だが改善が表れている(水準は依然として歴史的低位にあるが)。

 昨年9月のリーマンショックとそれに続く大手マネーマーケット・ファンドの元本割れの衝撃は、米消費者のマインドをかつてない勢いで冷え込ませた。今年1~2月にはレイオフの嵐が吹き荒れ、失業率を増加させた。

 しかし、大和総研アメリカの小売りアナリスト、玉田かほり氏によれば、現在は、「自分はひとまず失業しないですみそうだ」と思える人や、節約で貯蓄が少し増えた人、株価がやや戻って喜んでいる人などが、消費をやや回復させ始めたフェーズだという。

 また、失業などによって昨年度の収入が途中から急減した人は、確定申告により源泉徴収分から税の還付を受けられる。株の損失でも一部還付が受けられる。還付額は前年よりも15%増えた。その“臨時収入”もディスカウント店の売り上げ増につながっている。