逆境のとき趣味を超えた第二の仕事が大きな意味をもつ
ダイヤモンド社刊
1890円(税込)

「知識労働者には、いつになっても終わりが無い。文句は言ってもいつまでも働きたい。とはいえ、30のときには心躍った仕事も、50ともなれば退屈する。したがって第2の人生を設計することが必要になる」(『プロフェッショナルの条件』)

 ドラッカーは、問題の解決には3つの方法があるという。

 第1の方法は、文字どおりセカンドライフ(第2の人生)をもつことである。会社を替えるだけでよい。

 第2の方法は、パラレルキャリア(第2の仕事)、すなわち本業にありながら、もう1つ別の世界をもつことである。

 第3の方法は、ソーシャルアントレプレナー(社会的起業家)になることである。仕事は続けるが、それに割く時間は減らしていく。そして非営利の仕事(第2の生き方)を始める。

 じつは逆境のとき、趣味を超えた第2の人生、第2の仕事が大きな意味をもつ。

 知識社会では、成功が当然のこととされる。だが、全員が成功することはありえない。失敗しないことがせいぜいである。成功する人がいれば成功しない人がいる。そこで、一人ひとりの人間とその家族にとっては、なにかに貢献し、意味あることを行ない、一廉であることが重要な意味をもつ。

 「第2の人生、第2の仕事、社会的起業家としての仕事をもつことは、社会においてリーダー的な役割を果たし、敬意を払われ、成功の機会をもつということである」(『プロフェッショナルの条件』)