先月、東京都内の千駄ヶ谷で中華レストラン「猪八戒」を経営する友人から、上海の伝統的朝食メニューを楽しむ食事会をやりたい、顔を出してくれ、と頼まれた。

上海の伝統的朝食メニュー

 その朝食メニューとは豆乳、大餅(べたべた焼きのような上海風スナック)、油条(揚げパン)、粢飯◎(ツーファンガオ、四角い焼きおにぎりのようなスナック。◎は米偏に羔、以下同)だった。上海出身の中国人にとっては、そこにさらに「生煎饅頭」(焼き小籠包)、「小籠包」、陽春麺(何の具も入らないただのスープ麺)、葱油拌面(葱油と醤油を和えた麺)を入れれば、郷愁を誘う故郷の朝食の味がほぼ揃ったはずだ。

 友人の依頼も断れないが、大餅、油条、粢飯◎の魅惑にも勝てずに、その食事会に出るのを約束した。豆乳だけは、痛風に苦しめられている今はビールとともに飲まないようにした。

 facebookを通しての案内だけで60人くらいが店に駆けつけ、最後は満員御礼の札を出してしまったほどの盛況だっだ。当日の味については、口がうるさい私から見れば、冷凍物がほとんどなので今一つだったが、話題提供、郷愁を癒すという目的はかなり達成できたと思う。

 朝食メニューの「晩餐会」という発想に、参加者全員が賛辞を送っている。しかも、ほとんどの参加者がfacebookを利用しているため、facebookや中国版SNSの微博では、この食事会の話題でしばらくは持ちきりだった。

 そこで、日本に生活の基盤を移した80万人もの中国人社会も無視できない市場だということもあらためて認識した。