「これは、日本が世界に誇れる文章作成法だ」と神田昌典氏が評する『6分間文章術』。著者の中野巧氏が10年間の文章メソッドを結晶化させたものだ。トヨタ、ソニー、三菱東京UFJ銀行、DeNA社員だけでなく、大学教員、女子高生、小学生からも続々驚きの声が寄せられている。
本連載もいよいよ最終回!なぜ、夢は紙に書くと叶うのだろうか?

都立高校で講演したときの話

 人を惹きつける文章を書ける人は、ほとんどの場合、プレゼンテーションをはじめとする表現力が極めて豊かです。

 文章を構成できるということは、あらゆる表現力につながるからです。

 たとえば、これからはビジネスにおいても動画の活用がますます広がっていきますが、動画を作成する際の原稿は文章です。

 つまり、文章が書ければ、お客さんを魅了する動画もつくれるということです。

 実は、文章を書くということは、コミュニケーション力や共感力をトレーニングする最適なツールなのです。

 ある都立高校で「文章で広がる、あなたの未来」というテーマで講演会をしたときに、こんなお話をしました。

≪好きなことを掘り下げていくと、あなたの可能性は自動的に広がる≫

 たとえば、今日は文章のお話なので、あなたも相手の心を動かす文章を書けるようになりたいと、思ってみてください。

 それで、文章の学びを掘り下げていくとしますよね。

 たとえば、スコップで地面に穴を掘っていくときに、直線的に掘っていけますか?
できませんよね。
 穴を深く掘ろうと思えば、その周りの土も掘っていくことになります。

 これと同じように、文章を書けるようになりたいと、経験や知識を深めていくと、同時にその周辺にあることへの興味の幅も広がっていくんですね。

 もう少し具体的にお話しすると、文章の知識を深めていくと、その過程で営業力やプレゼンテーション力、企画力、発想力、問題解決力、実行力、目標実現力といった力も身につくようになるんです。

 事実、文章を学び、成績を伸ばす営業マンや、苦手だったスピーチで感動の拍手に包まれる人、自ら考えた企画が実現したOLなどがいるのは、文章があらゆるスキルのトレーニングになるからなのです。講演会後、「生徒たちの目がキラキラ輝き始め、スイッチが入った!」と、先生たちからとても感謝されましたが、高校生のエネルギーに触れる機会を与えていただいたことに、こちらこそ感謝する貴重な体験でした。

 会話のやりとりの中では、深く考える時間はありませんが、文章はじっくりと自分と向き合う時間を取ることができます。

 いや、逆に自分と向き合うためには、文章を書くことが一番だとも言えます。

 ビジネスにおいても文章を書くことで次の3つのことが深まります。
●商品、サービスを手にするお客さんへの理解
●提供する商品、サービスへの理解
●そして、お客さんと商品、サービスをつなげるあなた自身への理解

 この3つへの理解が少しずつ深まることで相乗効果が生まれます。

 文章を書くことを通して、商品が育ち、商品が育つことで、文章に磨きがかかります。
 そして、そのサイクルが、あなた自身を育ててくれるのです。

 ぜひ、あなたの可能性を広げるトレーニングとして、文章を書いたり、エンパシーチャートを活用してみてください。

 先ほどの講演会では、「夢を紙に書くと叶う」メカニズムのお話をさせてもらいました。

 生徒たちは食い入るように話に夢中になり、講演会の最後には争うようにそれぞれの夢を紙に書いてくれました。