新将命氏の経営哲学が若き経営者の心を震わせ、そして今は共に会社をグローバルカンパニーへと成長させるために共に切磋琢磨するビジネスパートナーへ。健康コーポレーション株式会社の瀬戸健氏と伝説の外資系トップ・新将命氏の対談も後半戦。会社を潰さない経営者に求められる素養とは何か、語り合いました。

会社の明暗を左右するのは、結局経営者である

理念の共有、結果を出すこと<br />求心力のある会社をつくるために<br />経営者がすべきこと瀬戸 健(せと・たけし)
健康コーポレーション株式会社 代表取締役社長。
1978年福岡県生まれ。2003年健康食品の通信販売を目的に健康コーポレーション設立。2006年札幌証券取引所アンビシャスで上場。大人気となった「豆乳クッキーダイエット」は、2006年から2年連続「ダイエット向けクッキー国内シェアNo.1」を獲得。美顔器等の新ブランド「ESTENAD(エステナード)」、パーソナルトレーニングジム「RIZAP」、「Angeliebe(エンジェリーベ)」など幅広く業務展開を行う。

瀬戸 今まで何度も窮地に立たされてきました。我々のヒット商品である「豆乳クッキーダイエット」が大ヒットしたときも、その後類似品の参入で収益が目に見えて落ち、本当にお金が回らなくなったんです。お金という現実的な問題もさることながら、人がついて来てくれないと感じたときに辞めたいと思いましたね。

 それが一番辛いですね。

瀬戸 億単位で売上が落ち続けているときは、それに比例するように急速に社員の求心力を失っていきます。社員は経営者が結果を出すかどうかを常に見ているので、結果を出さないと強いリーダーシップを発揮できなくなるんですね。

 例えば会議の場で僕が相手の話を聞いている。結果が出ているときは「社長なのに謙虚だ」と言われますが、結果が出ていないときは「芯のない人ですね」と言われる。常に結果を求められるのが経営者なんだと痛感しました。

 結局、会社は経営者次第なんですよ。経営者が変われば会社も変わるんです。だから経営者は常に自分を高めることを求められるんです。

瀬戸 社員から「僕たち頑張ります」と言ってもらい、ヤル気が出たことは数えきれません。僕は必死にやれば叶わないことはないと思っているので、よしやろうと思えたときに会社が大きく変わってきました。でも不思議なもので、僕が弱気になっていると会社も勢いを失う。本当に経営者次第だと思います。