株価は日々、需要と供給で動くもの。そこで、株式市場の主役である「機関投資家」の動きを知っておけば、個人投資家でも負けない投資ができる!株式投資を始めた人からベテラン、忙しい人も知っておきたい、Yahoo!ファイナンスの株価予想、単独トップの39連勝!2012年勝率No.1の「相場の福の神」が書いた、ご利益タップリ、儲かる投資の教えを、最新の著書から抜粋して紹介します。

市場の主役である機関投資家の
行動法則がわかれば勝率アップ!

 株式投資でできるだけ勝率をあげるためにはどうしたらよいのでしょうか。この20年以上、相場をみてきた私が言えることといえば、まず第1に「機関投資家」の動きを知ることが大切だということです。

 機関投資家、というのは個人ではなく、生命保険会社や信託銀行など企業や団体で投資をするいわゆる大口の投資家です。

 個人投資家が増えたとはいえ、相場で大きな資金を動かしているのは機関投資家。前回もお伝えしましたが、今や日本の市場の6割が外国人、3割が機関投資家なので、個人投資家は1割もいないくらいの存在感です。
   ですから株価や売買数、出来高もすべて機関投資家の動きによって左右されることが多いのです。

 敵の動きを知ることこそ、勝率アップの王道。個人投資家とは違い、機関投資家には機関投資家だからこその事情があります。個人投資家目線ではわからない、機関投資家の常識・非常識を知っておけば、敵の動きを予測することができ、株で儲かるチャンスが格段に増えるでしょう。

教え1 勝率アップの常識! 
機関投資家の3つの裏事情を知りなさい

 機関投資家として運用に携わっている人たちは利益を出すことを仕事にしているのですから、「絶対に損をさせられない」のが彼らのミッション。当然、個人投資家よりは何枚も上手(うわて)です。
   そんな彼らに、個人投資家が勝つ方法はあるのでしょうか? 

 実は、機関投資家にはいくつかの特色があります。主なものを上げてみましょう。機関投資家は、銀行、生保、投信会社などのサラリーマンであるということが基本で、

1)機関投資家は、常に投資し続けることが仕事である
2)機関投資家は、大きな資金を動かしている
3)機関投資家は、時価総額の大きな銘柄を主に扱う

という大きく3つの事情があります。

 私自身が証券会社のサラリーマンなので、日頃痛感していることなのですが、これらの特色は見方を転じると、個人投資家に対する弱みにもなってしまうのです。どんな弱みになるのか1つ1つ見ていきましょう。

1)機関投資家は、常に投資し続けることが仕事である
→だから、どんなに相場が悪くても休めません。

2)機関投資家は、大きな資金を動かしている
→だから、大きな資金ゆえ自分が売っただけで値崩れを起こしてしまうような、時価総額が小さな銘柄はリスクが高く、扱いにくいのです。

3)機関投資家は、時価総額の大きな銘柄を主に扱う
→だから、時価総額が小さな、新興市場などのニッチな銘柄にはあまり詳しくありません。

 ということは、その逆をいけることが、個人投資家の強みということです。たとえば1)の逆というのは、

「相場が悪いときに、わざわざ勝負をしない」
ということです。

 これができるのは、個人投資家の強みです。誰が買っても値下がりしてしまうようなときに、“買わない選択”をするだけで、勝率を上げることができます。

 また
2)、3)の逆を考えると、
「時価総額の“小さな”銘柄で勝負する」
「機関投資家が少ない“新興市場”で勝負する」
となります。

 このいずれかを最低限のルールとするだけで、機関投資家という強敵と戦わずに済みますし、両方をマイルールとしたなら、さらに勝率は上がることでしょう。