ユーザーの行動履歴に基づくウェブマーケティングは、さまざまな利便性をもたらしているが、最近はプライバシー上の懸念などを指摘する声も高まっている。主要ブラウザによるサードパーティクッキーブロックの動きは、その一例だ。こうした制約を取り払う技術がKPIソリューションズによって生み出された。あわせて、同社は個人データを安全に管理するための新しい手法も開発。ビッグデータ時代のセキュアなIDビジネスを開拓しようとしている。

サードパーティクッキーを使わず
行動ターゲティングを実現する
新しい発想のテクノロジー

 行動履歴をもとにユーザーの関心あるテーマを推定することで、ターゲットを絞って広告を配信する行動ターゲティングテクノロジーの進化が著しい。広告投資効果が高まることはもちろん、ユーザー側にも関心分野の広告が表示されるというメリットがあるため、利用が拡大している。

 だが最近、「ユーザーの嗜好が丸裸にされる」といった懸念の声が上がり、行動ターゲティングに制限を加える動きも目立ち始めている。その一つが「サードパーティクッキー」(Third Party Cookie)のブロックだ。ユーザーが閲覧しているウェブサーバー以外の第三者サーバーから発行されるクッキーによって、その行動履歴を把握するやり方を、主要ブラウザが初期設定で不可としているのである。

 サードパーティクッキーは、行動ターゲティング広告の要となる技術であるだけに、これがブロックされた場合、従来のような効率的広告配信に支障を来たす可能性が懸念されている。

© DreamFinder-Fotolia.com

 ユーザーの個人情報の安全性と行動ターゲティングの利便性の両立──。これを実現するのが、KPIソリューションズが開発した「ニューラル・マッチング技術」だ。

 同社は、この技術をもってすでに国内外での特許手続きを完了。2013年8月、このニューラル・マッチング技術を搭載したサービス「モブスマート」の提供を開始した。

「モブスマート」には、サイト運営者の収益最大化をサポートするSSP(Supply Side Platform)機能と、ウェブ広告売買の仲立ちをするADエクスチェンジ機能が搭載されている。

 さらに、広告主のニーズに対応した行動ターゲティング広告を配信・管理する同社のDSP(Demand Side Platform)「アドミーム」とも連携し、シームレスなウェブ広告のプラットフォームを形成する。