バレーボール全日本女子チームの28年ぶりの
ロンドン五輪銅メダル獲得を支えたデータ戦略。
そこにあったのは、膨大かつ精緻なデータのみならず、
選手や現場の人たちが次のアクションを起こせるよう工夫された
「データの伝え方」だった。

「どうやって伝えるか」という大問題

  バレーボールの全日本女子チームは、ロンドン五輪で28年ぶりのメダルを獲得し、「データバレー」という言葉が注目を集めました。

  膨大かつ精緻なデータさえ持っていれば、もしくは、優れた分析ツールさえあれば、企業やチームは勝てるのでしょうか?

  答えはノーです。

  いくら優れた分析データを持っていても、それを「何のために使うのか」と
いう目的(ミッション)に結びつけられなければ、宝の持ち腐れに終わります。

  また、精査されたデータを大前提として、その先にあるのが「どうやって伝えるか」という問題です。

  分析の結果をただ渡すのではなく、データアナリストである私自身、チームの一員として一緒にバレーボールの練習のサポートをしてコミュニケーションをとりながらデータの重要性、有効性を選手にアピールするなど、どうやったら「現場」でデータを使ってもらえるか、そして現場の人たちにデータの重要性を知ってもらうか試行錯誤しました。