起業を成功させるのは、「どうしても起業したい!」という思いが必要。そうしたモチベーションを高めるには「起業ノート」を使うのが効果的だ。とくに自分の中にある下世話な願望と向き合えば、成功に一歩近づくことになる。

10年後、ワクワクできるかを考えよう

「いつかは起業したい」と考えている多くの人が、実際には行動を起こせず、何年もたってしまうのは、起業に対する燃え上がるような思いがないからにほかなりません。

 確かに会社を辞めて起業することには大きなリスクが伴います。そのリスクを承知の上で、「どうしても起業したい」という熱い思いがなければ、無理に起業するのはやめたほうがいいでしょう。

 もしあなたが「サラリーマンとして徐々にキャリアアップを図る人生がいい」とお考えなら、迷うことなくその道を進めばいいと思います。でも、あなたが本書を手に取ったということは、そうした人生に疑問を感じているのではないでしょうか。

 そこで、あなた自身の10年後の姿をいくつかのパターンで想像してみてください。たとえば、10年後も今の会社に勤めていて高い地位に出世し、多くの部下をマネジメントしている姿です。あるいは、起業して、いろいろと不安を抱えながらも刺激的な毎日を送っている姿もあります。

 どんな事業で起業するかは、多くのバリエーションをもって想像してみてください。私の場合、結果的には経営コンサルタントになりましたが、「スポーツジムの経営」や「カーレースのチームをつくってF1で優勝する」など、好き勝手に妄想していました。

 そのほかのパターンとしては、サラリーマンを続けながら、週末を利用して事業をしている姿や、別の会社に転職している姿などもあるかもしれません。想像するだけですから、「できる、できない」は度外視して、さまざまな姿を思い浮かべてみてください。また、どんなパターンの場合でも、必ずうまくいっている姿にしてください。