大胆な金融緩和や機動的な財政出動などアベノミクスの2本の矢により、円安・株高基調が進行、日本経済はようやくデフレからの脱却が期待されている。国内の企業立地動向も、これまでの政府の各種支援策の効果もあって、厳しい中にもやや上向きの兆しが見え始めている。第3の矢として放たれた「日本再興戦略」に盛り込まれた、設備投資の促進や規制緩和、産業構造改革などの着実な実施によって、今後、国内投資やビジネス環境の整備が進めば、戦略的に設備投資を行う企業が増えてくると思われる。誘致活動では、内外企業の立地戦略を的確に捉え、技術力や人材の高度化を進めて、立地企業のイノベーションを支援する体制づくりが求められる。

 

国内投資意欲は
萎縮していない

 経済産業省の「2012年工場立地動向調査」によると、電気業を除く工場立地件数は、940件(11年比9.8%増)であり、工場立地面積は1105ヘクタール(11年比11.4%増)と増加している(表1参照)。工場立地件数は2年連続で増加しており、「国内立地推進事業費補助金」など、政府が講じた立地支援策の効果が着実に表れ始めているようだ。

 日本立地センターが実施した「新規事業所立地計画に関する動向調査」(12年10月実施)の結果を見ても、新規立地計画が「ある」と答えた企業は11年度の調査と同率を維持しており、立地予定時期も「3年以内」が最多と早期の立地を目指す傾向が強まっている。日本企業の国内投資意欲は決して萎縮してはいないといえるだろう。

 また、立地選定時に重視するのは「用地価格」「交通条件」がやはり多いが、「既存拠点と近接」が望ましく、「労働力」の確保や「取引先・市場と近接」していることが重視要件として増えている(表2参照)。