実は、中野渡こそが
本物のメンタリストだった!?

なぜ半沢直樹に出向が言い渡されたのか?中野渡の決断の真意とは?<br />――メンタリストDaiGoが読み解く『半沢直樹』ヒットの秘密(5)メンタリストDaiGo人の心を読み、操る技術”メンタリズム”を駆使する日本唯一のメンタリスト。TV番組へ出演多数、著書は累計55万部突破のベストセラーに。外資系企業の研修や、コンサル、教育誌の連載なども手掛ける。初の本格ビジネス書『一瞬でYESを引き出す 心理戦略。』で、ビジネスの現場で使えるメンタリズムテクニックを公開し、たちまち話題に。その他の著書は、『人の心を自由に操る技術』(扶桑社)『DaiGoメンタリズム 誰とでも心を通わせることができる7つの法則』(ワニブックス)など。
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 ついに最終回を迎えた『半沢直樹』。ラスト、中野渡の決断に、「なんで!」とツッコミを入れたビジネスパーソンも多かったのではないでしょうか。しかし私はこの決断を見た瞬間、メンタリストという立場から「なるほど!」というツッコミを入れたくなりました。

 彼の「許し」には、人を取り込んで組織を動かすという心理学的な極意がうかがえます。敵を徹底的に叩き、切り捨てることは誰にでもできます。しかし叩きのめされた敵はその恨みを心にため込んで増幅し、もしかしたらそれが復讐という形になって自分に向かってくるかもしれません。

 しかし、自分の敵ともいえる人物を、味方に取り込めたら、その敵の手腕が脅威になるほど高ければ高いほど、そのメリットは絶大です。だから、中野渡は大和田を切り捨てないという決断を下したのです。まさにその決断こそ、「メンタリズム」なのです。