TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)で、「聖域5項目」を含めて関税撤廃の可否や影響を検証する作業が進んでいる。波紋を呼ぶその検証の真意を聞いた。

自民党TPP対策委員長 西川公也 <br />関税撤廃の影響検証は不可欠 <br />最終的には政府が決断するPhoto by Toshiaki Usami

──検証は“聖域を守る”という公約に反するという声もあります。

 農産物の「重要5分野」は細目で586品目ありますが、これを削ることが前提ではありません。さらにそれら以外でも、大きな影響を受け得るものがたくさんあります。例えば木材、鶏肉、液状卵などです。こういうものを、守れるだけ守らなければなりません。

 それらの関税はなぜできて、輸入の状況にどういう影響を与えたのか、もしなかったらどういうことになるのか。なければ駄目な理由になるのか。交渉に当たって、586品目と併せて検証したい、ということです。

──守るためにも検証が必要だと。しかし、すべてを守れますか。

 参加国は相当高い自由化率を求めてくると思います。できるだけ枠を広げて決着をつけたいのですが、相手のあることで、そう簡単にはいきません。

 やがて自由化率が決まりますが、そのときにどれを選ぶかは政府の仕事です。党は党として検証する中で、私はこれだけは守ってください、と言う立場にあります。

──どのくらいの自由化率を求められているのですか。

 それは言えません。保秘契約が入っていますから。