「ヒット商品」ランキングに
「半沢直樹」「あまちゃん」

「日経トレンディ」が毎年12月号で発表する恒例のランキング企画が、今年も「2013年ヒット商品ベスト30」「2014年ヒット予測ランキング」として発表されました。企業のマーケティング担当者や当社のようなマーケティング会社、広告会社などもこの企画に大いに注目しています。

 自分が手掛けた製品やサービスがここで紹介されるというのは、この業界に身を置く人間にとっては一つの目標でもあるからです。

 2013年の「ヒット商品」の中で私が注目したのは、「半沢直樹」「あまちゃん」の二つのメガヒットドラマのランクインしていたことです。

 バブル時代のトレンディドラマは、当時の若者たちが憧れるライフスタイルを描き、そのロールモデルとなりました。それでも、1970年代から80年代初頭にテレビドラマが老若男女共通の話題であった頃から比べると、その存在感は次第に小さくなって行きました。

 そんな中、今年のこの二つのドラマは、日本中を巻き込んだ久々のメガヒットとなったのですが、これらにはバブル時代のドラマとは異なるヒットのプロセスがありました。ソーシャルメディアの存在が新しい流れを生んだのです。

 毎回、ドラマのストーリーをネタにオンラインでの「ソーシャルビューイング」が盛り上がり、それがドラマの人気をさらに加速させました。マスで分散したコンテンツが、ソーシャルメディアによって形を変えてさらに拡散し、視聴率を引き上げて行く。これまでにないヒットの生まれ方や、新しいコミュニケーションの形を象徴する事例といえるでしょう。

 ちなみに「日経トレンディ」編集部は、2013年のヒットは「楽しい健康」と「ニッポン再発見」がキーワードになるというトレンドを予測していました。これはまさに、当を得た結果となったのではないでしょうか。