環境意識の高まりやエコ政策(エコポイント、エコカー減税・補助金)の影響などで、環境に配慮した商品を購入する人が増えている。しかし、そうした商品を購入するにも関わらず、日常のエコ活動には消極的な「環境傍観派」が生活者の中で3割にのぼるという調査結果がまとめられた。

行動の伴わない
「環境傍観派」は全体の約3割

 調査は、NTTレゾナント株式会社が20~50代の男女1144人を対象にインターネット上で実施したもの。このなかでは、環境に対する意識や行動の高低により、調査対象(11万4000人)を「環境行動派(環境意識が高く、行動も伴っている)」、「環境傍観派(環境意識は高いものの、行動が伴っていない)」、「行動が環境派(環境意識は低いものの、環境に配慮した行動を行っている)」、「ノンエコ派(環境意識は低く、環境に配慮した行動も行わない)」に分類。それぞれグループから均等に回答者を選び、それぞれのエコ活動について調べた。

 実践したことのあるエコ活動を調査したところ、「マイ箸の利用」を行っている「環境行動派」は36.7%、「環境傍観派」は22.1%、「エコバッグの利用」を行っている「環境行動派」は88.1%、「環境傍観派」は72.0%だった。

だが、購入したことのある環境を配慮した商品を聞いたところ、エコカーを購入した人は「環境行動派」が3.1%、「環境傍観派」が3.8%、省エネエアコンを購入した人は「環境行動派」が4.2%、「環境傍観派」が4.8%と、「環境傍観派」が上回る結果となった。

 また、「継続的に実践できる身近なエコ活動の条件」として、「お金を節約できる」「無料でできる」ことが重要と答えた人は「環境行動派」に多く、「簡単、楽にできる」「行動負担がない」ことを重要な条件と考える人は「環境傍観派」に多かったという。

「簡単」「節約」「無料」「行動負担がない」が
エコ4大要素

 この結果を受けて同社では、「環境傍観派」は「環境行動派」と比べて、エコ活動に金銭的投資をすることへの障壁は低いものの、行動的な負担となることを嫌う傾向があると分析している。

 さらに、4グループ全体を通じて、継続的なエコ活動に必要なのは「簡単」「節約」「無料」「行動負担がない」という4大要素だとまとめている。

 確かに、利用率の高い「エコバッグ」は、「簡単・行動負担がない=持ち歩くだけ」、「節約・無料=主に低価格で、商品のおまけなどで無料配布される例も多かった」というように、この要素をすべてクリアしている。エコバッグに続く、エコ関連のヒット商品。今年も生まれるだろうか。

(プレスラボ 小川たまか)