2013年も残りわずかとなりました。年の瀬は洞察力に富んだドラッカーの名言に触れ、一年を振り返ってみてはいかがでしょうか。今回ご紹介するのは、ドラッカーの膨大の著書から365の名言を選んだ『ドラッカー 365の金言』と、ドラッカーの名言に英和対訳がついた『決定版 ドラッカー名言集』の2冊です。

年の瀬に相応しい
ドラッカーの名言集

 いよいよ年の瀬が迫り、2013年の幕が下りようとしています。この一年を振り返りながら来年に思いを馳せるこの時期は、自然とこの2冊に手が伸びます。なんとなれば、ぐしゃぐしゃになった頭のなかを整理したい。自分をリセットし、仕事と人生を見つめ直そう……。そういった衝動に駆られるせいでしょうか。

一年を振り返る年の瀬こそ読みたい<br />ドラッカーの洞察力を凝縮した書P・F・ドラッカー著、ジョセフ・A・マチャレロ編、上田惇生訳『ドラッカー 365の金言』2005年12月刊。愛蔵版と呼ぶにふさわしい重厚感ある造りです。

 ドラッカーが遺してくれた金言や名言は、事業や利益、リーダーシップ、顧客に関わることであったり、マネジメントやイノベーション、人間関係への洞察であったりします。その無数の洞察や真髄はしかし、組織や企業のために書かれたのではなく、読者一人一人のために書かれたものだということが、読み込めば読み込むほどに伝わってくるのです。

『ドラッカー 365の金言』は『The Daily Drucker』の邦訳です。「経営者が成果をあげるための指針」としてもらうべく、ドラッカーの長年の友人であったクレアモント大学院大学のジョゼフ・A・マチャレロ教授が編者をつとめました。

 本書において、私はドラッカー教授の教えの真髄をまとめた。読者におかれては一日一テーマに取り組んでいただきたく、三六六のテーマを選んだ。各テーマの直後にはドラッカー教授自身の名言あるいは真髄を表す言葉を配し、本文として著作からの引用を編集した。最後にACTION POINTとしてとるべき行動を示唆した。ここでお願いしたいことは、読者ご自身が「すでに起こった未来」を探すことである。新たなトレンドを見出したならば、ドラッカー学校の伝統に従い、自ら行動していただきたい。(viiiページ)