ESは準備がすべて。自分の軸を持って企業選びとES作成することが、結果として最終面接を突破する近道になることは前回説明した。
今回は、より具体的な志望動機の書き方、中でも誰もが手を抜きがちな「企業研究」についてレクチャーしたい。

志望動機が書けない人
=企業研究の手抜き

「貴社を志望するのは、日本の経済を立て直すために……」
「貴社の商品が本当に好きで、自分もそんな商品を開発したい……」
「持ち前の明るさを生かして貴社の営業として活躍したいと思い……」

 数千枚のESを、今まで読んできたが、ほぼ、すべての企業が「学生時代頑張ったこと」と「志望動機」を聞いてくる。

 ESを読むとはっきりと分かってしまうことがある。
 それは「業界や企業の研究に、どれくらい力を入れたか」ということだ。
 言い換えるなら、その企業への本気度が透けて見えてしまうということ。

 ネット、新聞、OB訪問、IR情報など、多角的にその企業を研究している人がいる。この人は説得力のある志望動機を書いてくる。
 自分の足で稼ぎ、目で確認した情報が元になっている。働くイメージを持てている。自分がヤリタイコトと実際の仕事の一致も確認できている。必然的に文章にも力強さを感じる。

 一方で、手抜きと感じられるESも散見する。
 ありがちなのが、次の2つである。

1.採用ページに掲載されている情報をほぼコピペしたもの
2.説明会で人事が話していた内容を、あたかも自分の意見のように書いたもの

 この2つこそが、採用側に「またこの志望動機か!」と見抜かれ、残念な結果を招くパターンである。
 言うまでもないが、この2つは、情報元が同じなので、「コピペか」と疑われるくらい、その他大勢と似た内容のESになってしまうからだ。