将来を有望視されたエリート社員。しかし、ある『ひと言』がきっかけで、上司の信頼を失い、そして出世街道からも外れてしまいます。彼は一体何を言ったのでしょうか?そこには、人事部が必ず見ているチェックポイントがあったのです。

「こんなダメ会社、辞めてやる」。
悲劇はここからはじまった

 会社員という道を選んで、せっかく組織に属したにもかかわらず、居心地が悪そうにしている人がいます。しかし、辞めるということではなく、組織に背を向けながらも、その組織に属し続けるわけです。

 組織の中を見てみると、「辞める」と言う人ほどむしろ会社を辞めないものです。あなたのまわりにも、そんな人はいませんか。

 かつて顧客企業のある大手メーカーにSさんという人がいました。もともとは、研究開発部門の中でとても有望視されていました。人事部の目にも留まっていたそうです。

 何が原因だったかはわかりませんが、あるときから、「こんなダメ会社は辞めてやる」と周囲に漏らし始めたのです。

 自分の希望が通らず、あまり興味のない研究テーマに携わることになったことが不満だったのかもしれません。あるいは、自分よりも実力が劣ると思っていた先輩社員がテーマリーダーになったことが気に食わなかったのかもしれません。