「プレゼンテーション」で注意したいのは、説明に力を入れてしまうこと。トヨタ自動車のプリウスを求めに来る人が、なぜ、買いたいと思って店舗に足を運んでくれるのか? この点がわからないと、見込み客を失ってしまう。聞いておかなければいけないことを聞くだけでいいのだ。

なぜ、買ってくれないのか?
なぜ、競合に負けてしまったのか?

 「プレゼンテーション」とは自社の商品・サービスについて、その内容、特徴などをお客様に対して、伝える商談です。この時に注意したいのは、自分がこの商品・サービスについて、知っていることを一方的に伝えることです。

 ただ、習ってきたことをここぞとばかり、一気にまくし立てることがプレゼンテーションではありません。お客様は自分の欲求が叶うからその商品・サービスを買うのです。商品・サービスの良さ、素晴らしさをオンパレードで話されてもお客様には関係ないのです。

 また、欲求、ニーズを叶えるための問題や課題を明らかにして、それを解決できることを伝えることが大事です。

 今回ご登場いただくのは、トヨタ自動車のディーラーであるネッツトヨタニューリー北大阪の箕面店で営業を担当している今村英一氏。店舗でお客様を迎える営業スタイルのため、今村氏は「プレゼンテーション」に力を入れていました。

 「私は会社に入ってから15年間ずっと、お客様に車の説明(プレゼンテーション)をして、金額を提示しては『買ってください』と連呼している営業マンでした。自分としては精一杯やっているつもりでしたが、なぜ買ってくれなかったのか、なぜ競合に負けたのか、何がいけないのかがわかりませんでした」